(続)初心忘れるべからず〜高田明さんと、もう一度考えてみた〜
前回に引き続き、「初心忘れるべからず」について
ジャパネットたかた 創業者の髙田 明 さんの解釈から深く考えていきます。
「時分の花」を「真実の花」と勘違いしてしまう人がとても多いという話でしたが、
大切なのはいつどのタイミングでも『自分は真実の花だ』と思わないことです。
未熟者なら尚更ですが、おごらないこと、謙虚であること、精進を重ねることは、
周囲が自分を高く評価してくれているとしても変えてはいけない姿勢だと思います。
ビジネスにおいては大切な考え方だと髙田さんは仰っています。
(現代に例えて言うなら、” サプライズ ” が最も近い表現でしょうか。)
「秘すれば花」とは下記のような意味を持ちます。
” 観客が予想もしないところで珍しい芸を披露すると、
観客は思いがけない演出に驚き、感動する。
明かせば何でもないようなことでも、秘密にすることで価値が上がり、効果も増す。
そして観客はより魅了されていくのだ。”
これを現代のビジネスに置き換えて考えると、
「いかにお客様を楽しませ、驚かせるか?」ということになり、
この心を大切にしようという教えになります。
長くビジネスをやればやるほど、お客様は期待感を持つものです。
その期待をいかに超え続けられるか、というところが
ビジネスマンの腕の見せ所なのでしょう。
こういった世阿弥の考え方に触れた髙田さんは、
世阿弥の書を「人生哲学の書」だと評しています。
” 不遇の時代をいかに過ごし、絶頂の時にいかに慢心を抑えるか。
他人の評価に一喜一憂することなく、
ひたすら自分の夢を追い続けるための心構えとは何か。
ただが意見を飾り立てるのではない、内面から滲み出る人の美しさとは何か。”
こういった、人間としての真髄に迫るような問いを
時代を超えて問いかけてくれる世阿弥の存在を、もっと尊ぶべきなのかもしれません。
「もうこれで良い」「自分は出来ている」と自己満足に陥っていませんか?
努力を怠っていないでしょうか?
折々、自分に問い直すべきなのだと思います。
髙田さんも70歳になられますが、
「人間はいくつになっても成長していけると思う」と仰っていました。
いつまでも成長意欲を忘れずに、進んでいきたいものですね。
それでは、今回はこれで失礼致します。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。